台北のICカード乗車券「悠遊カード」取材記 台湾の電子マネー事情1
取材日 2008年1月4日、5日
台湾の首都・台北では、「悠遊カード」(台湾名:悠遊?、英語:EasyCard)がICカード乗車券として、市民に愛用されています。日本のSuicaやPASMOのような存在です。
「悠遊カード」は、2002年6月12日に導入され、2007年8月30日には発行枚数が1000万枚を超えました。非接触型ICカードの規格のTypeA(オランダのNXPセミコンダクターズのMIFARE)を採用しています。(日本のほとんどの電子マネーはSONYのFeliCa)
台北捷運(MRT)、市内バス、一部長距離バス、駐車場、ロープウェー、渡し船などで使えます。動物園の入場券や台北市の図書館の貸し出しカードにもなるそうです。2007年9月1日からは、台北に近い基隆市の基隆交通カードと相互利用を開始しました。
台北近郊にある淡水と対岸の八里郷をむすぶ渡し船でも利用できます。淡水は夕日が美しい水辺の街として知られています。
「悠遊カード」は、MRTのチケットオフィスやコンビニなどで購入できます。
普通カードは、一枚500元で購入でき、内訳は100元がデポジット、400元が使用金額となっています。(普通カードのほか、学生用や子ども用、障害者用などのカードがあります。)
手数料20元を払うと、未使用分とデポジットが返金されます。
残金が足りなくなったら、MRT駅構内のチャージ機(加値機)やチケットオフィス、コンビニなどでチャージができます。チャージ単位は100元または500元で、上限は10000元となっています。
有効期限は、最後に使った日から2年間です。
使い方は簡単です。読み取り部にタッチするだけです。MRTの場合は、入るときと出るときに読み取り部にタッチ。お財布にカードをいれても通れました。
バスの場合、乗るときもしくは降りるときに読み取り部にタッチします。
バスに乗るときと降りるとき、2回タッチするとエラーになりますが、2回分の料金が引き落とされることはありませんでした。
MRT構内にあるリーダ(?)にのせると、いままでの使用履歴がわかります。
「悠遊カード」でMRTを利用すると、運賃が2割引になります。また、MRTとバスを乗り継ぐ場合、運賃から8元引かれます。
「悠遊カード」機能が搭載したクレジットカードも発行されています。(ビュー・スイカカードみたいなカード)中國信託(Chinatrust)や、國泰世華銀行など4銀行が発行しており、残高が100元を切ると500元がオートチャージされるそうです。
「悠遊カード」機能が搭載したクレジットカード「悠遊聯名?」だと、ファミリーマート(全家便利商店)やコーヒーショップ、映画館などで利用できます。(「悠遊錢包」)
「悠遊カード」のホームページを見ると、「悠遊カード」版「モバイルスイカ」の実験をやっているようです。名前は、「Easy-Mo」。
短期滞在で、あまりMRTやバスを利用しない場合は「悠遊カード」をお勧めしませんが、MRTやバスを駆使して台北市内をくまなく観光する場合は「悠遊カード」オススメです。
余談ですが、MRTのきっぷはIC化されていました。以前はプラスチック製のカードだったそうですが、今はコイン型のトークンです。
2007年中に置き換えが行われたそうです。中にICチップが入っています。
ときどきエラーもあるそうです。
友達が改札機が開かなくなるトラブルに見舞われましたが、有人窓口の係員がすぐに対応してくれ、無事改札をでることができました。
情報がICチップにうまく書き込まれなかったようです。
利用方法は、自動販売機で行先まできっぷを購入。出てきたICトークンを自動改札機のリーダにタッチ。改札を出るときは、回収口にICトークンを挿入。
「悠遊カード」取材後記
「悠遊カード」ですが、台北市民に普及しているようでした。観光客を除きほとんどの人が「悠遊カード」を利用していました。2割引は大きいですよね。
あと、台北のMRTの車内や駅構内がきれいなのに驚きました。車内や駅構内で飲食・喫煙をすると罰金を取られるそうです。気をつけましょう。