ANAマイルを効率的に貯めるには
2014年4月からのANAカードのフライトボーナス
2014年4月からANAカードのフライトボーナスマイルの付与条件が変わることが発表された。このフライトボーナスマイル積算条件の変更では、各種特割運賃や株主優待割引運賃などの割引運賃を利用すると、積算条件変更前よりも付与されるマイル数が減ってしまうのが残念。特に長い距離のフライトでは付与されるボーナスマイルに大きな差が出る。
特に長い距離のフライトを利用する際に、積算条件の変更を知らずに損をすることがないよう、こちらではその変更点をしっかり理解しておこう。また、より多くのマイルを獲得するためのカード選びにも参考にしてもらいたい。
2014年4月からのフライトボーナスマイルの計算方法
現在では区間基本マイレージに対して、カード種類ごとに決められたボーナス積算率でフライトボーナスマイルが決定されていたため、どの運賃でフライトを利用しても付与されるフライトボーナスマイルに差は無かった。しかし、2014年4月以降は利用するフライトのクラス(運賃種別)によってもフライトボーナスマイルが変化するシステムとなる。
【変更前】2014年3月までのフライトボーナス積算率 | 【変更後】2014年4月以降のフライトボーナス積算率 | |
---|---|---|
ANA各種一般カード (ANA JCB ZERO、ANA To Me CARD PASMO JCB、ANA VISA Suica含む) |
区間基本マイレージ×10% | 区間基本マイレージ×クラス・運賃倍率×10% |
ANA各種ワイドカード ANAワイドゴールドカード ANAダイナースカード ANAアメリカン・エキスプレス®・ゴールド・カード |
区間基本マイレージ×25% | 区間基本マイレージ×クラス・運賃倍率×25% |
ANAプレミアムカード) | 区間基本マイレージ×50% | 区間基本マイレージ×クラス・運賃倍率×50% |
【変更後】の計算式に使用されるクラス・運賃倍率とは次の一覧の通り。
国際線クラス・運賃倍率
搭乗(座席)クラス | 運賃例 | 予約クラス | 運賃倍率 |
ファーストクラス | ファースト割14 | A | 150% |
ビジネスクラス | 普通運賃・ビジ割(※1) | J | 150% |
ビジネスクラス | 普通運賃・各種ビジ割(※1) | C/D/Z | 125% |
ビジネスクラス | ビジ割スペシャル | P | 70% |
エコノミークラス | 普通運賃・エコ割プレミアム | Y | 100% |
エコノミークラス | エコ割プレミアムライト | E | 100% |
エコノミークラス | エコ割スタンダード・エコ割スタンダードライト | B/M | 100% |
エコノミークラス | エコ割3/5/7/・エコ割ロングステイ(※1) | U/H/Q | 70% |
エコノミークラス | エコ割3/5/7/・スーパーエコ割・エコ割ロングステイ(※1) | V/W/S/T 50% | |
エコノミークラス | エコ割50・エコ割ユース・エコ割スペシャルL/K/G | 30% |
国内線クラス・運賃倍率
運賃倍率 | 積算対象運賃 |
150% | ・プレミアム運賃 ・プレミアム小児運賃 ・プレミアム身体障がい者割引運賃 |
125% | ・プレミアム特割 ・プレミアム旅割28 ・プレミアム株主優待割引運賃 ・プレミアム小児株主優待割引運賃 |
100% | ・片道運賃 ・往復運賃 ・ビジネスきっぷ ・出張@割 ・ビジネスリピート ・小児運賃 ・身体障がい者割引運賃 ・介護割引 ・シャトル往復運賃 ・各種アイきっぷ ・プレミアム個人包括旅行割引運賃 ・海外乗継割引スペシャル ・国際航空券(国内区間)など |
75% | ・特割 ・旅割21 ・旅割28 ・旅割45 ・旅割55 ・旅割60 ・特定便乗継割引 ・乗継特割 ・乗継旅割 ・株主優待割引運賃 ・小児株主優待割引運賃 ・いっしょにマイル割(同行者) ・スカイメイト割引など |
50% | ・個人包括旅行割引運賃(包括旅行DP割引を含む) ・DP限定旅行用特割運賃(包括旅行MDP割引) ・シニア空割 |
つまり、2014年3月末まではどの運賃でANA便を利用しても、区間基本マイレージの100%に対して、保有するANAカードの種類だけで積算比率が計算されていたのだが、2014年4月以降は、その計算式にクラス・運賃積算率が加味されたことで、積算比率の高い運賃を利用すればフライトボーナスマイルも多く、逆に積算比率の低い運賃を利用すればフライトボーナスマイルの積算も少なくなるという計算方式に変わるのだ。
この点では各種特割を利用することが多い方には、不利な変更といえる。
変更前と変更後のANA各種一般カード保有者が東京-福岡(区間基本マイル567)のフライトを利用した場合で試算してみると…
1) 変更前 全ての運賃クラス共通
567マイル×10%・・・56マイル(往復112マイル)
2) 変更後 プレミアム運賃を利用
567マイル×150%×10%・・・85マイル (往復170マイル)
3) 変更後 特割運賃を利用
567マイル×75%×10%・・・42マイル(往復84マイル)
また、ANA各種ワイドカード保有者が同様のフライトを利用した場合は・・・
4) 変更前 全ての運賃クラス共通
567マイル×25%・・・141マイル(往復283マイル)
5) 変更後 プレミアム運賃を利用
567マイル×150%×25%・・・212マイル(往復425マイル)
6) 変更後 特割運賃を利用
567マイル×75%×25%・・・106マイル(往復212マイル)
フライトマイルの積算率の計算方法の変更により、特割運賃の場合はANAカードの種類により獲得するマイルの差は変更前よりも小さくなる。一方、プレミアム特割やプレミアム運賃でANA便を利用する場合には、ANAカードの種類により獲得するマイルの差がグンと大きくなるのである。
国内線での試算でこれだけの差が出るということは、距離の長い国際線ではこの傾向がより顕著になる。
もしプレミアム特割やプレミアム運賃の利用が多いという方は、2014年4月以降にはANA一般カードで獲得できるフライトボーナスに比べると、ワイドカードやワイドゴールドカードを保有している場合に獲得できるフライトボーナスが大幅に増えるため、カード選びの際にはその点も考慮して検討してみてもよいだろう。