Suicaにクレジット機能を一体化した「ビュー・スイカ」カード
こうした電子マネーの機能がついた交通系ICカードのSuica。さらにクレジットカード機能を付けることもできる。クレジットカード機能付きSuicaには様々な種類のカードがあるが、ここではSuica発行元であるJR東日本のグループ会社、株式会社ビューカードが発行しているクレジットカード「ビューカード」とSuicaが一体化した「ビュー・スイカカード」の機能をご紹介したい。
「ビュー・スイカカード」とは
ショッピングやお食事などの決済時に利用できるクレジットカードである「ビューカード」とJR東日本が発行するIC乗車券Suicaが一枚になったカード。これ一枚で、電車やバスに乗車でき、電子マネーを使用してショッピングをしたり、食事の会計時にクレジット決済をしたりすることができる。
さらに便利な機能として「オートチャージ(自動入金)」という機能がある。
通常のSuicaはチャージしてある残高が不足した場合、自動改札入場時に止められてしまう。しかし、「ビュー・スイカカード」の場合「オートチャージ」設定をしておけば、自動改札で残高不足と判定されるとその場で自動的にクレジットカード機能からチャージ(入金)が行われ、自動改札で止められることなく入場できるという非常に便利な機能が利用できるのだ。朝夕のラッシュ時に自動改札で止められ、後の人に嫌な顔をされるということもこれでなくなるのでありがたい。
オートチャージの仕組み
ビュー・スイカカードを駅のATM「VIEW ALTTE」へ持参し、「①Suica残高がいくらになったら入金(チャージ)するかの金額」と、「②自動的に入金(チャージ)する金額」の二つを設定する。①②ともに1,000円以上10,000円以下で1,000円単位で設定や変更することができる。(モバイルSuicaの場合は、携帯電話画面上で操作できる。)
この①②の設定に基づいて、自動改札入場時に自動的に入金(オートチャージ)が行われる。
例えば①を3,000円、②を4,000円と設定したとする。
すると、Suica残高が3,000円以下になった際に4,000円がSuicaに自動的に入金される。一度設定をしておけば、その後は自動改札機にタッチして入場するだけで、残高不足を自動的に判定してオートチャージをしてくれるので大変便利な機能である。
自分の利用金額の度合いに応じて、Suica残高は最小限で良いという場合は、①を1,000円に設定しても良いし、いつもまとまった金額を入れておきたいと思えば①を10,000円に設定しておいてもよいわけだ。②も同様に自分の利用状況に応じて設定すると良い。
さらにオートチャージは設定も利用も無料なのも嬉しい。
ただし、オートチャージの設定をしていても、オートチャージ機能が利用できない場合があるので注意したい。
・オートチャージできるエリア
首都圏と新潟、仙台のSuica利用可能エリア
首都圏のPASMO利用可能エリア(私鉄、地下鉄)
Suicaは全国での相互利用が開始されているが、オートチャージ機能は上記のエリアに限定されている。たとえSuicaにオートチャージの設定がしてあっても、上記以外のエリアでは、残高不足になっても自動的に入金されないので覚えておきたい。
・そのほかのオートチャージがされないケース
自動改札『出場』時、新幹線の自動改札機利用時、簡易Suica改札機利用時、Suica電子マネーのショッピング利用時、私鉄とJRの連絡用改札機利用時には、オートチャージされないので注意したい。
定期券とクレジットカード、Suicaを一つにまとめることができる
もう一つ便利な特長をご紹介したい。ビュー・スイカカードと定期券を一枚にまとめることもできるという点である。ビュー・スイカカード(Suica+クレジットカード機能)にさらに定期券の機能を付随するというわけだ。これはSuica定期券機能付きビューカードでのみ可能なサービスである。
通常であれば、クレジットカードと、Suica定期券の二枚を持ち歩かなければならないが、Suica定期券機能付きビューカードにすれば、お財布もスッキリする。さらに、Suicaと一体化しているので定期券で入場して定期券の区間外で出場する際にも自動改札で自動精算されるので、いちいち精算機に並ぶ必要もない。
また、JRだけでなく私鉄やバスにも乗り継ぎの定期券を保有しているという場合、なんと2枚の定期券を一枚のSuica定期券機能付きビューカードにまとめることができるのだ。これでますますお財布がスッキリとするだろう。また、お財布やカードケースに2枚のIC定期券を入れていて、自動改札で上手く読み取ってくれない!というストレスからも解放される。2枚の定期券を使い分ける手間もなくなるので非常に便利な機能だ。
定期券は高額な物であるので、紛失が怖いという方も多いだろう。しかし、Suica定期券機能付きビューカードは万が一紛失した場合に、定期券部分はもちろんSuicaへ入金(チャージ)してあった残額も補償される。クレジットカードとしての補償も当然あるので、安心感がある。(※ 紛失の連絡後、Suica機能、クレジット機能の停止処理が完了した時点での残額が補償対象)
すでにSuica定期券を使用中だという方は、駅の多機能券売機にSuica定期券機能付きビューカード
と使用中のSuica定期券を持参して定期券情報を移し替えることができるので検討してみても良いだろう。(ただし、定期券情報を移し替えることのできない場合もあるので、詳細はこちらのページにて必ず確認を。http://www.jreast.co.jp/card/function/teiki/move.html)
モバイルSuicaにビューカードを登録
カードタイプのSuica(IC乗車券)からさらに進化したのが、携帯情報端末(携帯電話や一部の
スマートフォンなど)にSuica機能を付随させた「モバイルSuica」。携帯電話やスマートフォンにSuicaの機能を持たせたもので、携帯電話を自動改札機にタッチして入出場することができるというもの。Suicaと同様、モバイルSuicaにチャージ(入金)しておけば、電子マネーでショッピングも可能。定期券やグリーン券も購入できるという優れものである。
さらにこのモバイルSuicaにビューカードを登録しておくと、自動改札機にタッチして入場するだけで、モバイルSuicaへ自動入金(オートチャージ)される。こうしておくとチャージ不足に陥ることなく、スムーズに利用でき大変便利なので覚えておきたい。
通常、モバイルSuica会員は年会費が1,000円かかるのだが、6月3日現在、ビューカードをモバイルSuicaに登録しておくと、モバイルSuica年会費が当面無料という嬉しいキャンペーンが実施されているのも見逃せないポイントである。