ANAマイルを効率的に貯めるには

ANAマイルが劇的に貯まるクレジットカード

とにかくANAマイルをたくさん、しかも早く貯めたい!と思ったら、選ぶべきカードはどのカードだろうか?しかし、人によりライフスタイルが違う以上は誰にとっても一番というカードは難しい。それぞれの生活に馴染みやすく、かつANAマイルがどんどん貯まるカードを探してみた。

何かと有利なのは「ANAカード」

ANAマイルが獲得できるクレジットカードが数多く発行されている中で、やはりマイル獲得に優位性を持っているのが「ANAカード」。入会・継続時に付与されるボーナスマイルの存在やANA便を利用した際の搭乗時ボーナスマイル、提携店舗でANAカードを利用した際に通常のクレジットカードポイントに加えANAマイルが貯まる「ANAカードマイルプラス」などなど、ANAカード会員限定でのメリットが多数あることは見逃せないポイントである。

特に家族でマイルを貯めている方は、ANAマイレージクラブ会員というだけではマイルの合算ができないが、ANAカード(クレジットカード)に切り替えをし「ANAカードファミリーマイル」の手続きを行うと、家族分のマイルを特典交換時に合算して利用できるようになるのだ。家族分のマイルを合算すれば特典交換がグッと近づくという方は多いのではないだろうか?

では、各種用意されているANAカード(クレジットカード)であるが、マイルを貯めやすくかつお得なカードはどのカードなのだろうか?

ボーナスマイルの存在に注目

まずANAカード会員ならではの、会員限定ボーナスマイルに注目してみよう。ANAカードへの入会時、年一回のカード会員継続時に会員に付与されるボーナスマイルだが、クレジットカードの利用で得られるマイルに換算すると10万円から40万円の利用分に相当するマイルがANAカード会員には付与されるのだ。(ANA JCB ZEROカードには入会時・継続時ボーナスマイルの付与は無い) ※通常入会時・継続ボーナスマイルは本会員のみ対象。(家族カード会員は対象外。)

ANAカード入会時・継続時のボーナスマイル一覧

  カード名 入会時 継続時(翌年以降の年1回のカード継続時に付与)
ANA VISA 一般カード
ANAマスター一般カード
ANA JCB一般カード
ANAアメリカン・エキスプレス®・カード
ANA VISA Suicaカード
ANA To Me CARD PASMO JCB
1,000マイル 1,000マイル
ANA VISAワイドカード
ANAマスターワイドカード
ANA JCBワイドカード
ANA VISAワイドゴールドカード
ANA マスターワイドゴールドカード
ANA マスターワイドゴールドカード
ANAダイナースカード
ANAアメリカン・エキスプレス®・ゴールド・カード
2,000マイル 2,000マイル
ANA VISAプラチナ プレミアムカード
ANA JCB カードプレミアム
ANAダイナースプレミアムカード
(ダイナースクラブ、ANAそれぞれに申し込み基準あり)
10,000マイル 10,000マイル
貯めたANAマイルを往復特典航空券(ローシーズン、0~600マイル区間)に交換することを目標に設定したと仮定して考えてみよう。

往復特典航空券の必要最小マイルはローシーズン、0~600マイル区間の「10,000マイル」であるので、①では10分の1、②では5分の1、③では100%のマイルがANAカード会員は毎年獲得できることになる。

一般カードとワイドカードで比べてみると・・・

比較的入会しやすいと考えられる一般カードとワイドカードを比較してみよう。

・一般カードに比べ、ワイドカードは継続時のボーナスマイルが1000マイル多い。これはクレジットカードの決済利用分で獲得できるマイレージに換算すると、5マイルコース選択の場合は200,000円分、10マイルコース選択の場合は100,000円分の利用額分に相当する。
獲得したマイルの有効期限は獲得から36か月である。3年間で獲得できるボーナスマイルは一般カードでは3000マイル、ワイドカードでは6000マイル。最初のボーナスマイル獲得から3年でボーナスマイルだけで一般カードとワイドカードでは3000マイルの違いが出ることになる。

ワイドカードは3年間に獲得したマイルで、ローシーズンの往復特典航空券の最少交換マイル(10,000マイル)の半分以上のマイル数に達する。

ただし、ワイドカードは年会費がANA の各種一般カードの2,100円に比べ、5,512円高い7,612円かかる。この7,612円を一般カードよりもボーナスマイルで1000マイル多く獲得するための費用ととらえてみると、先ほど述べたようにクレジットカード利用で獲得できるマイルの金額に換算した場合、100,000円分(10マイルコース選択)~200,000万円分(5マイルコース選択)に相当するので、十分に元は取れるといえるのではないだろうか。
(実際はカードに付帯する旅行保険の補償内容の差、搭乗時のボーナスマイルの加算率の差などもあるので、こちらを考慮すると、さらにコストパフォーマンスが上がると言える。)

マイルをとにかくたくさん貯めるという観点で言えば、年会費の増加分を考慮しても、ボーナスマイルを多く獲得できるワイドカードは魅力的といえるだろう。

クレジットカード利用で貯まるマイルに注目

さて、ワイドカードで獲得できるボーナスマイルをできるだけ有効活用して、普段ANAに搭乗する機会が多い方はもちろん、機会の少ない方でも特典交換を目指すにはクレジットカードの利用によるマイル獲得は外せないポイントである。

初めに獲得したボーナスマイルの有効期限である3年間で獲得できるボーナスマイルはワイドカードの場合、6000マイル。もし、マイルを貯めて特典航空券に交換することを目標とするならば、最少交換マイルである10000マイル(ローシーズン、0~600マイル区間)獲得を達成するにはあと4000マイルが必要だ。

多くのANA一般カードとワイドカードでは、10マイルコースと5マイルコースという2コース制が取られており、クレジットカードの利用金額で得たポイントからマイルへの移行率に差を設けている。

10マイルコースは5マイルコースに比べ、同じ利用金額でも2倍のマイルに移行することができる。ANAマイルをなるべくたくさん獲得することを目標にすると、ここは同じ金額の利用でも2倍のスピードでマイルが貯まる「10マイルコース」を選択したい。

10マイルコースでは「1,000円=1ポイント=10マイル」という高い還元率の設定がされているので、4000マイルを獲得するには、

4000マイル÷10マイル=400 1000円×400=400000円 

つまり、40万円のクレジットカード決済利用で獲得できることになる。
極めて単純化して考えれば、最初に付与された入会・継続ボーナスマイルの有効期限である3年間の間に40万円以上(年間約13万4千円以上) の利用が見込めるようであれば、10000マイルに到達が可能という計算になる。

実際には、ANA便への搭乗の機会があれば、「搭乗マイル」や「区間搭乗ボーナスマイル」の獲得も見込め、利用額が上記の計算より少なくても10000マイルに達することが十分可能。また日常的にEdy(電子マネー)を利用している方であれば、Edy利用分200円に対し通常1マイルが付与されるので、これらの計算より早く10000マイルを達成することも大いにありうる。

クレジットカードポイントからマイルへの移行手数料に注目

ただし忘れてはならないのが、クレジットカード利用で貯まるポイント(クレジット会社運営のポイントサービス)からANAマイルへの移行手数料だ。クレジットカードポイントをANAマイルに変える手続きを「移行」という。その際に掛かる手数料のことである。

この移行手数料を考えた時に浮上するのが「ANA JCBワイドカード」である。こちらのカードは、10マイルコースを選択した場合の移行手数料について他のワイドカードが「年間6,300円」と設定されているのに対し、「年間2,100円」に設定されている唯一のカードである。

他のワイドカードの10マイルコース選択時の移行手数料は年間6,300円。ANA JCBワイドカードは年間4,200円お得な移行手数料で済むのだから、これは見逃せない。

ANA JCBワイドカード基本情報

  年会費 家族会員年会費 入会・継続時ボーナスマイル 搭乗時ボーナスマイル クレジットポイント移行率/移行手数料(年間) 利用可能な電子マネー 特記事項
ANA VISAワイドカード 7,612円 1,575円 2,000マイル 区間基本マイレージ×25% ・10マイルコース
1,000円=1ポイント=10マイル
移行手数料6,300円
・5マイルコース
1,000円=1ポイント=5マイル
移行手数料無料
楽天Edy
PiTaPa
銀聯
・楽天Edy利用200円(税込)につき1~2マイル

移行手数料はポイントをマイルに移行した年のみ発生する。毎月貯まったポイントを自動的にANAマイルに移行する「自動移行コース」では毎年2,100円の支払いが発生するが、会員が移行の手続きを自分で都度おこなう「マルチポイントコース」を選択すると、マイルに移行しなかった年には移行手数料の支払いは発生しない。JCBのポイントの有効期限は2年間なので、自分でマイルへの移行を忘れない自信があるようであれば、「マルチポイントコース」を選択して、ポイントの有効期限が失効しない期間内になるべくマイルを貯めてから移行手続きをするようにすると、若干でも手数料の節約になるので、覚えておいても良いだろう。(ただし、手続きを忘れてしまうとポイントが失効してしまう恐れがあるので、要注意。)ポイントをマイルへ移行する際の上限は設定されていない。

JCBの発行するクレジットカードというと、海外でのVISAやマスターの利用店舗網に比べると不利な点は否めない。日本ブランドならではのメリットとして海外のサービスデスクのサポート面や、不慮の事態があった際の日本語対応などが挙げられるが、利用店舗数が気になるようであれば、VISAやマスターブランドの年会費無料カードをサブカードとして海外に持参することをおすすめする。

Suica利用者におすすめのカード

日々の生活の中でJRはじめ鉄道を頻繁に利用する機会のある方におすすめしたいのがANA VISA Suicaカード。こちらのカードにはJRをはじめとする全国の鉄道やバス利用に便利なICカード乗車券のSuica機能が搭載されている。鉄道駅の入出場時の便利さはもちろんのこと、ANA VISA Suicaカードから、Suica機能へチャージ(含むオートチャージ)をした場合や、登録したモバイルSuicaへチャージ(含むオートチャージ)をした場合にも、クレジットカードポイント(ワールドプレゼントポイント)が貯まるのが最大の魅力。このワールドプレゼントポイントをANAマイルへ移行することができるのは見逃せない。

ANA VISA Suicaカード基本情報

  年会費 家族会員年会費 入会・継続時ボーナスマイル 搭乗時ボーナスマイル クレジットポイント移行率/移行手数料(年間) 利用可能な電子マネー 特記事項
ANA VISA Suicaカード 2,100円
(初年度年会費無料)
家族カードなし 1,000マイル 区間基本マイレージ×10% ・10マイルコース
1,000円=1ポイント=10マイル
移行手数料6,300円
・5マイルコース
1,000円=1ポイント=5マイル
移行手数料無料
iD
Suica
PiTaPa
銀聯
・ANAカードマイルプラス提携店・対象商品/100円=1マイルまたは200円=1マイル
・Suica機能へチャージ(含むオートチャージ)、登録のモバイルSuicaへチャージ(含むオートチャージ)/ワールドプレゼントポイントが貯まる。
・ワールドプレゼントポイントをANAマイレージへ移行できる。

上記の一覧を見ていただくとお分かりいただける通り、ANA VISA SuicaカードからカードのSuica機能や登録したモバイルSuicaへのチャージ(オートチャージ含む)をすると、ショッピングなどの支払決済分と同様にクレジットポイントが付与される。つまりSuicaへのチャージ1000円毎に10マイルコース選択時には10マイル、5マイルコース選択時には5マイル獲得できることになる。(Suicaの利用分に対してのポイント付与ではない。あくまでもANA VISA Suicaカードからのチャージ分に対してのポイント付与である点に注意。)

例えば一日にSuicaを1000円分利用している方なら、平日(20営業日)だけの利用で20,000円分の利用になるので、その利用分をANA VISA Suicaカードでチャージしておけば、ひと月で100マイル(5マイルコース選択時)から200マイル(10マイルコース選択時)分に相当するワールドプレゼントポイントが貯まる計算になる。

これを年間に換算すると1,200マイルから2,400マイルにもなるのでSuica利用者ならば無駄にしたくないところ。ANA VISA Suicaカードは入会・継続時ボーナスマイルが1000マイルとワイドカード等に比べると1000マイル付与が少ないのだが、単純計算で平日に1,000円程度の利用者が10マイルコースを選択した場合は、Suicaチャージ分で獲得できるワールドプレゼントポイントをマイルに移行すると、このボーナスマイルの不足分を補っても年間1,400マイル多く獲得できる計算になる。(ANA便への搭乗が1回も無かったと仮定した場合。ANA便への搭乗が多い方は区間搭乗ボーナスマイルにも差があるため単純比較はできない。)

ワイドカードの中では、ポイントからマイルへの移行手数料が一番お得なANA JCBワイドカードと年会費と移行手数料の合計を比較してみると、ANA JCBワイドカードよりANA VISA Suicaカードが1,312円お得。(共に10マイルコースを選択した場合)全国の交通系ICの相互利用が可能になっている現在では、Suicaを利用できる範囲は全国に広がっており、利用者はぜひ一度検討してみる価値があるだろう。

PASMO利用者におすすめのカード

日常的にPASMO(ICカード乗車券)や東京メトロ定期券を利用している方におすすめしたいのが、ANA To Me CARD PASMO JCB(ソラチカ)カードである。PASMOとはSuicaと同様、全国の相互利用参加事業者で利用可能な交通系ICカードの一つで、ANA To Me CARD PASMO JCB(ソラチカカード)はこのPASMO機能を搭載したクレジットカードである。

  年会費 家族会員年会費 入会・継続時ボーナスマイル 搭乗時ボーナスマイル クレジットポイント移行率/移行手数料(年間) 利用可能な電子マネー 特記事項
ANA To Me CARD PASMO JCB 2,100円
(初年度年会費無料)
1,050円
(初年度年会費無料)
1,000マイル 区間基本マイレージ×10% ・10マイルコース
1,000円=1ポイント=10マイル
移行手数料2,100円
・5マイルコース
1,000円=1ポイント=5マイル
移行手数料無料
QUICPay
PASMO
PiTaPa
・東京メトロでの定期券購入(クレジット利用)や、To Me CARD提携先でクレジットカード払いを利用した場合にメトロポイントが貯まる
・PASMOへのオートチャージでANAマイルが貯まる
・PASMO(「メトロポイントPlus」に申し込み済み)の利用による東京メトロ乗車(定期券区間除く)や、メトロポイントPlus加盟店での電子マネー利用でメトロポイントが貯まる。
・貯めたメトロポイント100ポイント=90マイル

ANA To Me CARD PASMO JCB(ソラチカカード)がANAマイル獲得に有利な点は以下の通りである。

① 東京メトロ定期券をANA To Me CARD PASMO JCB(ソラチカカード)で購入すると、東京メトロの運営する「メトロポイント(ANAマイルへ手数料無料で移行可)」とJCBが運営する「OkiDokiポイント(ANAマイルへ移行可)」の2つのポイントをダブルで獲得することができる。
② PASMOへのオートチャージでANAマイルが貯まる唯一のANAカード。
③ 他のカード会社が発行する「To Me CARD」よりもメトロポイントからANAマイルへの移行率が高い。

まず①についてだが、東京メトロの定期券売り場等で東京メトロ定期券を購入する際にANA To Me CARD PASMO JCB(ソラチカカード)で決済をすると、東京メトロの「メトロポイント」とJCBのショッピングポイントプログラム「OkiDokiポイント」の両方にポイントが加算されるのだ。

例えば年間100,000円分の東京メトロ定期券をANA To Me CARD PASMO JCB(ソラチカカード)で購入すると、100,000円分のショッピングポイントとしてOkiDokiポイントが加算され、それをANAマイルに移行すると5マイルコース選択時は「500マイル」、10マイルコース選択時は「1000マイル」獲得できる。

これに加え、ANA To Me CARD PASMO JCB(ソラチカカード)で決済をすると、クレジットカードのショッピングポイントだけでなく、メトロポイントも加算されるのだ! この場合では1000円あたり5メトロポイント加算されることから計算して、500メトロポイント獲得できる。しかも、メトロポイントはANAマイルへの移行に対しての手数料は無料なのが嬉しい!

このメトロポイントは100メトロポイントあたり90マイルに移行できることから、100,000円分の定期券購入で「450マイル」が貯まる。③にあげたように他のTo Me CARDでは、メトロポイントからマイルへの移行率は1000メトロポイントにつき、600マイルであるので、この試算の場合は「300マイル」に留まる。

同じように定期券を購入しても、これだけの違いが出るのであれば効率よくマイルが貯まるカードを選びたいところ。

②についてはPASMOを改札機にタッチした際に残高が設定金額以下になると、ANA To Me CARD PASMO JCB(ソラチカカード)から自動的にチャージ(入金)される金額に応じて「OkiDokiポイント」が貯まる嬉しいサービスだ。こちらも入金1,000円に付き10マイルコースで10マイル、5マイルコースで5マイルが獲得できる。(まずOkiDokiポイントとして貯めて、ANAマイルへ移行)

PASMOへのオートチャージでマイルが獲得できるANAカードはこのANA To Me CARD PASMO JCB(ソラチカカード)だけである。

こちらのOkiDokiポイントからANAマイルへの移行では、5マイルコースの場合は手数料が無料であるが、10マイルコースの場合は移行手数料が2,100円必要になる。ただし、この移行手数料はVISAやマスターのカードの移行手数料(6,300円)に比べるとお得感がある。

また、上記の①~③以外にもPASMOを「メトロポイントプラス」という東京メトロが運営するサービスに登録をしておくと、東京メトロに1回乗車(定期券区間外)するごとに平日は5ポイント、土日は15ポイントのメトロポイントが加算されたり、電子マネーで買い物をすると自販機なら100円ごとに1ポイント、店舗での利用では200円ごとに1ポイントのメトロポイントが加算される。

先におすすめカードとして登場したANA JCBワイドカードに比べると、入会時・継続時ボーナスマイルが1000マイル少なく設定されていることと、区間搭乗ボーナスマイルの加算率が低く設定されているというマイナス面はあるものの、東京メトロユーザーがこのメトロポイントを上手に利用していくと、ANA JCBワイドカードよりも安い年会費で同等、もしくは同等以上のコストパフォーマンスを発揮するカードである。

いかがだろうか。仕事でANA便への搭乗回数が多い方はもちろんの事、なかなか飛行機を利用する機会が無いという方でも、クレジットカードの利用が当たり前となった現代社会では工夫次第でANAマイルを貯めていくことが可能である。ぜひこちらの記事を参考にして無駄のないようにマイルを貯めて、特典交換に活かしてもらいたい

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